Workshop at Ishinomaki

先週の土曜日、石巻工房の木工ワークショップに行って来ました。工房には初めて伺ったのですが、高校時代の同級生の実家、観慶丸のすぐ側にあると聞き迷わず辿り着けました。観慶丸の建物はレンガ造りの瀟洒な洋館で、とっても趣きがあって素敵です。津波の被害も受けたようですが、お洒落な感じに営業再開していて良かった。それにしてもこの辺り(立町)は今も昔も風に乗って磯の香りが漂ってます。石巻はかつて全国で一番寿司屋が多い街だったんですが、震災後街並みは変わっても空気感は変わってないなと感じました。私の実家がある蛇田地区は震災前後から建築ラッシュで、月に一度帰る度に新しい建物や道路が物凄い勢いで増えています。人口が集中し交通量も半端なくて、かつては田舎だったのに今ではちょっとした都会(笑)。再建の為とはいえどんどん住みづらくなっている印象ですが、石巻の皆さんには好都合なのかなぁ… で、ワークショップなんですが、工房で家具を作る際に出たブロック状の端材でスツールや収納ボックスを作る、と言うものでした。Jengaのようにカットされた栗駒の杉材を組んで、接着はなんと建築用両面テープ。遅れて到着したものの、2時間ちょっとで完成しました。耐久性に多少不安はありますが、工具を使わずにテープで繋ぐだけで家具が出来てしまう事が驚きでしたし、組み方次第でサイドテーブルとか、もうちょっと大きな家具も作れそう。レゴのようにブロック型になった家具を木で表現するのも楽しそうだなと、又々妄想が膨らんだのでした。 この日オランダはRotterdamからはるばる来てくださった建築家のNoa Haimさん。彼女はなんとノーギャラで今回自ら申し出があったそう。スタッフとしてお手伝いされていた方々も皆さんボランティアで、東京や仙台からいらっしゃってました。参加者は地元石巻の方々がメインでして、皆さんとても楽しんでらっしゃいました。作業の合間に石巻の皆さんとお話し出来て私も楽しかったです。出来ればもっとお話ししたかったのですが、今度は別の形で継続的に石巻と関わって行きたいな。二年経った今だからこそ被災者が本当に必要としているものは何なのか、見えつつあるような気がしています。昨年11月にお手伝いした梶晶子先生のパン作りワークショップも、今回の木工も楽しい時間を共有出来て有意義でしたが、私は出来ればもっと被災者の方々の内側に働きかけていきたい。実現はもう少し先になりそうですが、少しずつ前進していければと思います。 この日は父の日、私の勤務するミュージアムでも販売しているCrushed Glassをプレゼントしました。再生ガラスのポッテリした感じが、白湯飲みにぴったりと思って買ったのですが父が白湯を飲む筈もなく、もれなく晩酌用になり下がってました。クシャッと潰れた部分が持ちやすくて、使い勝手はなかなかいいみたい。 Crushed Glass / Crushed Cupは1975年オランダのプロダクトデザイナー、Rob Brandtによってデザインされた不朽の名作。ハーマンミラー社から工房に提供されたイームズチェア同様、優れたデザインは時代が変わっても存在価値を失う事なく厳かに輝きを放ってます。